サンポールは配管を傷めてしまう?トイレのつまりに有効な対処法と注意点を解説
「トイレ掃除といえばサンポール」と思い浮かべるほど、有名なトイレ用洗剤です。
ですがSNSで様々な使用方法が拡散されており、サンポールを使うのは危険だと考える人も少なくありません。
そこで本記事では、サンポールがトイレの配管を痛めてしまうのかについて、トイレのつまりに有効な対処法と注意点も解説します。
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サンポールは配管を傷めてしまう?
下記の使用方法を守れば、サンポールが配管を痛める心配はないでしょう。
- 目安の使用量を守る
- 液をかけたまま放置しない
- 適切に水を流す
トイレの配管に使用される鋳物は、希薄な酸に対して腐食します。しかし、配管内部は水で満たされており、サンポールが残留しなければ配管を痛める心配は少ないからです。
サンポールで溶けるもの
サンポールは酸性で、便器の汚れ以外であるタイルや樹脂・金属・大理石などのものを溶かします。
配管による汚れやつまりを解消したい方は下記をご覧ください。
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トイレのつまりにサンポールは有効か
トイレのつまりにサンポールは有効なのか?3つのパターンに分けて解説します。
- 尿石
- トイレットペーパーや排泄物
- 異物
尿石が蓄積してつまった場合
酸性のサンポールであれば、アルカリ性の尿石は溶かせます。したがって配管が尿石でつまった場合は、サンポールの効果を期待できます。
ただし一度に、多量のサンポールを使用するのは危険です。多量に使用すれば、気化したガスなどで気分が悪くなってしまうこともあります。
勢いよくサンポールを使用すれば、跳ねて手についたり、目に入ったりする危険もあるため、
サンポールでつまりを解消するのは使用用途からも外れるためおすすめしません。
トイレットペーパーや排泄物が詰まった場合
トイレットペーパーも排泄物も、いずれもサンポールではつまりを解消するほど溶けません。
例えば多量のサンポールを使用しても、多少溶ける可能性は上がりますが、つまりを解消するほどの効果は期待できないでしょう。
また使用量以上のサンポールを使うのは、便器(陶器)や配管に悪影響を与える危険もあります。
使用量が増えれば、ガスの発生量も増加するので注意して使用しなければいけません。
したがって、サンポールなどを使用してつまりを溶かす手段はおすすめしません。ラバーカップなどを使用して、つまりを直接的に除去する方法で検討してください。
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異物がつまった場合
ティッシュペーパー(水に溶ける製品を除く)やアルコールを含んだウェットティッシュなどを流したことはありませんか。
胸ポケットに入れていたボールペンやメモ帳・最近トイレに持ち込む人が多いスマホなど、これらを落とした経験がある方も多いのではないでしょうか。
いずれの物も水に溶けることはないため、誤って流すとつまりの原因になります。
上記のような異物が原因でつまった場合は、サンポールを多量に使用しても、つまりを解消できないため注意が必要です。
異物が原因の場合はつまった物を回収しない限り、つまりを改善できないので注意しましょう。
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尿石の除去にはサンポールが有効
尿石を消去するには、サンポールの使用が有効です。準備するものと効果的な使い方を順番に解説します。
準備するもの
サンポールは酸性で、安全に使用するには以下のものを準備しましょう。
- ゴム製の手袋・・・手にサンポールが付着することを防ぐ
- 柄付きブラシ・・・皮膚にサンポールが付着することを防ぐ
- 保護メガネ・・・サンポールが目に入ることを防ぐ
- マスク・・・臭いや気化したサンポールの吸入を防ぐ
- 新聞紙やビニール・・・床や壁などにサンポールが飛散することを防ぐ
サンポールの効果的な使い方
サンポールを効果的に使うには、以下の使い方がおすすめです。
- 便器の表面が乾いている状態で使用する
便器の表面が乾いているとサンポールが流れにくくなり、汚れの浸透と除去に効果的です
- 便器の汚れがある場所にサンポールを狙ってかける
汚れにトイレットペーパーを被せて、上からサンポールを使用すると効果的です
- サンポールをかけてから2〜3分後にブラシで擦る
サンポールを浸透させてから、ブラシで擦り取ると効果的です
サンポールを使用時の注意点
サンポールを使う際は、以下に注意しましょう。
- 使える・使えない場所がある
- 換気をする
- 塩素系洗剤と混ぜない
- 目や皮膚などに付着しないようにする
使える・使えない箇所がある
サンポールは、便器にかけて使用する酸性のトイレ掃除用洗剤です。
便器は陶器でも、便座やカバーはプラスチック製で、サンポールが付着すると素材を痛める可能性があります。
同様に陶器ではない床や壁に、サンポールが飛散しないように注意しましょう。洗剤だからといって、台所や風呂場などで使用してはいけません。
シンクやタイルなどを痛めたり、残ったアルカリ性の洗剤と反応して塩素ガスが発生したり、非常に危険です。
最近ではタイルや樹脂、金属・大理石など、様々なものにサンポールをかける動画などがSNSで拡散されています。
いずれもサンポールの使用用途外になりますので、絶対に真似しないでください。
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換気をする
サンポールを使用する際はトイレの扉を開けて、換気扇を回し、近くの窓を開放しましょう。サンポールの主成分の塩酸は、常温で酸性の液体ですが、揮発性を有しています。
気化したサンポールを多量に吸引すると、気分が悪くなる危険性があります。掃除をする際にはマスクも着用してください。
もし掃除中に気分が悪くなった場合は、すぐに作業を中断して、窓際など風通しの良いところで安静にしましょう。
塩素系洗剤と混ぜない
「まぜるな危険」の表示があるサンポールにおいて、混ぜると危険な対象は塩素系の製品です。
例えばサンポールを使用した後、便器にある黒カビを除去しようと、カビキラーなどの塩素系漂白剤を使用すると塩素ガスが発生します。
どうしても黒カビの除去を行いたいならば、サンポールを十分に洗い流した翌日以降に塩素系漂白剤を使用することをおすすめします。
目や皮膚などに付着しないようにする
サンポールは強力な酸性の洗剤で、目や皮膚などに少量でも付着すると危険です。目に入らないように、保護メガネなどで目を覆い保護しましょう。
皮膚に付着しないように、手にはゴム手袋(ビニール手袋は腐食する可能性があります)、服は長袖を着用します。
またサンポールを保管する際は誤って飲まないよう、食品とは離れた別の場所に保管してください。幼児の手が届かない場所や、鍵のかかる場所に保管することが大切です。
トイレのつまりへの対処法
トイレのつまりに対処するには『自然に解消するのを待つ』『業者に依頼する』の2パターンがあります。
自然に解消するケースがある
トイレットペーパーを大量に流したことが原因でつまってしまった場合、しばらく流さずに放置すると解消するケースがあります。
これは一度に大量のトイレットペーパーを流したり、厚みがある製品や外国製品などを使用したりすることで、水に溶ける前のトイレットペーパーが配管につまってしまう可能性があります。
上記の場合は無理に流そうとせず、しばらく放置してみましょう。
水が足りなさそうな場合には、別の場所から水を補充するのもありです。ただし焦って多量の水を足したり何度も流したりすると、溢れる可能性があるので注意してください。
処置が必要なケースはある?
水に溶けるトイレットペーパーやサンポールで溶ける尿石などが原因のつまりであれば、自分で処置できる場合もあります。
一方で水に溶けないティッシュペーパーやボールペン・スマホなどが原因のつまりであれば、水では流れず洗剤にも溶けません。水や洗剤を大量に何度も流しても、つまりが解消することはないでしょう。
上記のような場合でも、ワイヤーブラシやラバーカップが届く範囲内につまりの原因があれば、自分で処置できる可能性はあります。
ただしいずれの場合も、配管の奥でつまった際は自分で処置することは困難です。
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自分で除去出来ない場合は業者に依頼を検討しよう
何とかなるかもと思い、何度も水や洗剤を流すなど、無理な対処をしてはいけません。水が溢れたり、逆流したりする可能性があります。
自分で対処できないと判断した場合は、なるべく早い段階で業者に依頼することを検討しましょう。
費用相場は5,000円〜8,000円ですが、営業所から遠ければ出張費、深夜や土日祝日であれば緊急対応費などが加算される場合もあります。
依頼する際は、各業者の費用を比較して検討することをおすすめします。
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トイレのつまりにサンポールは有効か|まとめ
トイレのつまりの原因に、サンポールで対処するのは控えることを望ましいといえます。
サンポールは強い酸性の洗剤で、物を溶かしたり変質させたりします。つまりの除去に使用したり、適量以上を使用したりするのは、用途外で非常に危険です。
しばらく放置してもつまりが解除できない場合は、早い段階で業者への依頼を検討してください。